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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第20章 待ち人
 遥か昔──自らが将となって臨む戦にはそこそこ慣れていたような気もしたが、今の世となっては、そんなものはとうに失われた過去だった。
 『でも、安心してね。あなたはそう簡単には食べてあげない』
そして日嗣が臆していることを察していた異形の女神は、それをからかうように、殊更に優しい口調で続ける。
『神婚の贄として、化け物じみた神々に捧げられた巫女達がどんな運命を辿ったか──神たるあなたには分かるでしょう』
「……考えたくもありません」
『あら、怖いのね。でも大丈夫よ、“あなた”──私があなたに痛いことなんてするはずないでしょ? もしまた夫婦になる時が来たら、今度こそあなたに尽くすって決めてたんだから。昼も夜も──あなたが泣いて赦しを乞うまで奉仕して、その身が知らない快楽を私がいっぱい刻んであげる。それから、気が遠くなるまで二人でまぐわい続けましょう。
あなたの体にだけ成ったもので、私の体に成らなかった場所を差し塞いで。もう国も神も生む必要は無いけど、そもそも……どうせもう、私は子をなせる神威もないのだし』
「……」
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