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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第20章 待ち人
「……!」
しかし今度ははっきりと、自らが最も望まぬ形でそれを拒まれた少女は息を呑んで後退り、癇癪を起こした子供のように日嗣を睨みつけてきた。
 しかし日嗣も、それに怯むことはしない。どれだけ彼女がそれを訴えても、魂が違う者であったら、人に恋する意味も無いのだから。
 少女は一度涙を拭うと、なおも日嗣に訴えかけてくる。
「……どうして……、どうしてあなたも私を拒むの。私は変わったのに……あなたのために、変わったのに」
「……私はあなたの夫ではありません」
「違う──違う、違う。私には分かるの。あなたはあの人そっくり、その女を惑わす見た目も不器用な優しさも、孤独を嫌う臆病さも。たった一人の女を傷付けてのうのうと生きる薄情さも、たった一人の女を追ってこんな所へ降りてくるような激情も迂闊さも、あの人のものそのものよ──。だから私はあなたとならもう一度……って思ったの。私はただ、優しかった頃のあの方と一緒に居たいだけなのよ──。
ねえ、この姿ならいいでしょう? 私だってちゃんと、あなたが恋した神依だったでしょう? 他の男に触れられた体じゃない、髪だって肌だって、何もかも──今のあの子みたいに、汚ならしいものじゃない!」
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