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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第20章 待ち人
骨や筋が無いのかと思える程にくにゃくにゃと──そうして日嗣の抵抗を逃れた腕は徐々に徐々に日嗣の髪や体に迫り、這い登ってはその動きを封じていった。
それはあたかも、舞巫女を嬲る蛭が人の手に化けて現れたように。
そしてついにその腰や肩や頬を抱くと愛撫を施すように指を這わせ、思惑通り日嗣の眼差しを射止めると……
『──ほぅら、よくご覧になって』
その眼差しを操るように人差し指をゆっくりと伸ばし、神依を差した。
『あれは穢れた娘。蛭に女芯をまさぐられて処女(おとめ)を散らせた、おぞましき巫女なのですよ』
『あなたはどうかこの天に。そしてどうせ手に入らぬのなら、その気高く美しい御姿のまま──』
『──わたくし達の、慰み物になって下さいまし』
耳朶をねぶるように甘ったるい、姿無き幻影の女達の声。
それは日嗣を日嗣としてではなく、自分達が代わる代わる回して遊ぶ、人形だと告げていた。今ここに立ち並ぶ木偶と同じ──。
「お前達──」
『まあ、怒ってらっしゃるの? 天照様の大切な調度品が?』
『綺麗なお顔で、姿形ばかり立派な、ひとりぼっちの内裏雛が?』
それはあたかも、舞巫女を嬲る蛭が人の手に化けて現れたように。
そしてついにその腰や肩や頬を抱くと愛撫を施すように指を這わせ、思惑通り日嗣の眼差しを射止めると……
『──ほぅら、よくご覧になって』
その眼差しを操るように人差し指をゆっくりと伸ばし、神依を差した。
『あれは穢れた娘。蛭に女芯をまさぐられて処女(おとめ)を散らせた、おぞましき巫女なのですよ』
『あなたはどうかこの天に。そしてどうせ手に入らぬのなら、その気高く美しい御姿のまま──』
『──わたくし達の、慰み物になって下さいまし』
耳朶をねぶるように甘ったるい、姿無き幻影の女達の声。
それは日嗣を日嗣としてではなく、自分達が代わる代わる回して遊ぶ、人形だと告げていた。今ここに立ち並ぶ木偶と同じ──。
「お前達──」
『まあ、怒ってらっしゃるの? 天照様の大切な調度品が?』
『綺麗なお顔で、姿形ばかり立派な、ひとりぼっちの内裏雛が?』

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