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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第20章 待ち人
もはや体にまとわりついているだけの布片では、緩やかな稜線を描く背や腹も、まろやかな乳房も隠しきれない。そのふくらみの頂で色づく小花の蕾は薄布や榊の襷に弄ばれて、怯えたようにその身を硬くして上擦っている。
 縦にも横にも裂かれた裳裾から生える足は場違いに、少女ではなくなりつつもある張り詰めた色気と若さを誇り、舞を識(し)る者ならばそれ見たさについ次の一歩を先見してしまうような──。
 そのいっそむしり取りたくなるような襤褸(ぼろ)は少女の被虐的な魅力を大いに演出して、見ている者の獣欲を揺さぶっていた。少女には不思議とそういう惨めさが似合って、またそれが色となるような女の魅力があった。
 そしてその踏み出された足の先から、黒い蛭のようなものが這い登り、ぬるぬるとした薄い粘液で少女の肌を犯しながら、上へ上へと日嗣の視線を逆行していく。
 ああ、と唇の隙間から拒絶の吐息が漏れ、けれど舞うことを強いられている少女にはそれ以上どうすることもできない。ただ羞恥に眉を寄せ、頬を染めて。
 舞いの歩を踏みながらも、線をなぞる蛭から逃れようと必死に身を捩って四肢を伸ばすが……しかしそれはもう明らかに、男達の目を悦ばせるだけの辱しめの演舞でしかなかった。
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