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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第20章 待ち人
そしてついに黒耀の光が巫女の周りに降り注ぐと──そこから障子を開くように、全ての闇が左右に明ける。けれどもその縁を目で追い、辺りを目にした日嗣はただただ絶句した。
洞主も大兄も数多くの巫覡達も、それぞれの衣を纏っただけの木偶(でく)と、舞巫女の周りに円を描くように、何本も何本もその体に細い鉄の杭を打たれて血塗れになり微動だにしない首無し龍。
そして何より真黒い雲海の上、血や何かの肉片を滴らせる蜘蛛の巣の上で一人鈴を鳴らし、まじないを描くように一心に歩を踏み舞い続けるのは──
「──神依……!!」
そのあまりに凄惨な巫女の姿を見た日嗣は、一度は呑んだ声を反射的に吐き出した。
飾りの方が立派に見える、少し不恰好な中途半端な長さの髪。化粧の下で物憂げに、救いを求めるように震える瞳。見覚えがある。
しかしその想い人が纏う装束は、何か剃刀のような細かい刃で裂かれたようにぼろぼろで……殊更に男達の欲望を煽るようにちらちらと、本来ならその下に秘されているはずの年頃の少女の肢体を、もったいぶって衆人に晒していた。
──鈴が振るわれるか五色布が持ち上げられるかする度に剥き出しになる生身の肌。
洞主も大兄も数多くの巫覡達も、それぞれの衣を纏っただけの木偶(でく)と、舞巫女の周りに円を描くように、何本も何本もその体に細い鉄の杭を打たれて血塗れになり微動だにしない首無し龍。
そして何より真黒い雲海の上、血や何かの肉片を滴らせる蜘蛛の巣の上で一人鈴を鳴らし、まじないを描くように一心に歩を踏み舞い続けるのは──
「──神依……!!」
そのあまりに凄惨な巫女の姿を見た日嗣は、一度は呑んだ声を反射的に吐き出した。
飾りの方が立派に見える、少し不恰好な中途半端な長さの髪。化粧の下で物憂げに、救いを求めるように震える瞳。見覚えがある。
しかしその想い人が纏う装束は、何か剃刀のような細かい刃で裂かれたようにぼろぼろで……殊更に男達の欲望を煽るようにちらちらと、本来ならその下に秘されているはずの年頃の少女の肢体を、もったいぶって衆人に晒していた。
──鈴が振るわれるか五色布が持ち上げられるかする度に剥き出しになる生身の肌。

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