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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第19章 還るべき場所
思った以上に小さな声だったような気がしたが、山水はすぐに割けて、寝間着姿の櫛名田が迎え出てくれた。
「櫛名田様──あの──」
「まあ、……こんなに手と足を冷たくして。お入りなさい」
櫛名田は目を赤くして枕を抱える神依を見ると目をしばたたかせ、けれどすぐに何かを察したように柔く笑んだ。
二人は本当に床に就く間際だったようで、素戔鳴も寝着のまま布団に座している。そしてその眼差しはいつもの不敵で豪放なものとは異なり、どこか鼠軼と似た穏やかなものを宿して神依を迎えてくれた。
それは神依の我儘も裏切りも、全てを知って許容してくれるもの。
「枕の持ち込みか。甘ったれるのも板に付いてきたな」
「ふふ。それより廊下は寒かったでしょう、今日はもう遅いしお布団で話しましょうか。そのための枕でしょう?」
「……はい」
大小、この夫婦神の仲睦まじさを示すように隣同士並べられた布団の、小さな方に招かれる。
神依が枕を置いて布団にもぐれば櫛名田も何も言わず布団に入り、いつかのように隣で横になってくれた。何だかいい匂いがする。
「あったかい。……狭くしてごめんなさい」
「あら、じゃあ隣に移る? きっと喜ぶわよ」
「おい」
「櫛名田様──あの──」
「まあ、……こんなに手と足を冷たくして。お入りなさい」
櫛名田は目を赤くして枕を抱える神依を見ると目をしばたたかせ、けれどすぐに何かを察したように柔く笑んだ。
二人は本当に床に就く間際だったようで、素戔鳴も寝着のまま布団に座している。そしてその眼差しはいつもの不敵で豪放なものとは異なり、どこか鼠軼と似た穏やかなものを宿して神依を迎えてくれた。
それは神依の我儘も裏切りも、全てを知って許容してくれるもの。
「枕の持ち込みか。甘ったれるのも板に付いてきたな」
「ふふ。それより廊下は寒かったでしょう、今日はもう遅いしお布団で話しましょうか。そのための枕でしょう?」
「……はい」
大小、この夫婦神の仲睦まじさを示すように隣同士並べられた布団の、小さな方に招かれる。
神依が枕を置いて布団にもぐれば櫛名田も何も言わず布団に入り、いつかのように隣で横になってくれた。何だかいい匂いがする。
「あったかい。……狭くしてごめんなさい」
「あら、じゃあ隣に移る? きっと喜ぶわよ」
「おい」

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