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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第19章 還るべき場所
女二人が笑えば、残された素戔鳴は憮然として頷く。男一人、これからしばらくは何を言っても分が悪そうで、一家の長としてはそれだけが不満だった。

***

 そうしてその日から、神依は素戔鳴や櫛名田と過ごす時間を増やして日々の生活を送るようになった。
 特に櫛名田からは裁縫の他に料理も教わるようになったのだが、素戔鳴は自身の言葉通り真っ先に焦げた飯を食わされ、けれどそれも悪い気はしなかった。ただそれ見たことかと豪快に笑い飛ばしてやれば、翌日は自分だけ一品抜かれていたので、飯についてはもう何も言わないことにする。
 代わりに櫛名田がいない時、盤上で駒を弄くり回して容赦なく、いいように遊んでやったが、神依がむきになって挑んでくれば、それに加担する鼠軼の知恵と子龍の悪戯が一矢を報いてきたりもした。
 神依の方も、心が明るくなると不思議と傷の回復も早まるようで、毎回薬を伸ばされながら呪文のように紡がれた、綺麗に治るからねという櫛名田の言葉もだんだん信じられるようになってきた。
 風呂に入れるようになってからは、それでも一人、目を伏せることが多かったが、居間に戻れば二人に笑顔で迎えてもらえる。
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