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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第19章 還るべき場所
身に合わず、あんなにも美しいものと直に触れ合うことはやはり禁忌で、その罪を贖(あがな)うにはきっとこんな姿になるしかなかった。
それを思い一人で泣きじゃくり、けれども神依が泣いている時はいつも隣に鼠軼が座して慰め、そんなことはないと語り掛けてくれた。
鼠軼は、以前と何も変わらないように思えた。ヒビの入った珠もちゃんとある。しかしやはり、神依との間には生死の境があるのだと言われた。
揺るぎない事実として、確かにあの時、この小さな鼠神は死んだのだ。
しかし何の前触れも無く天照の神威に焼かれた鼠軼の魂は、黄泉路以前にその在り方に惑い……頼りなく浮遊していたところを、誰かに導かれここに辿り着いたのだという。
「……誰か?」
「んむ。そしてな、御殿の前であの奥方に招かれた。奥方は巫女の素養があるようでな──そこで再び、この姿に顕してもらったという訳じゃ。そしたら程無くお主が連れ込まれて──」
「鼠軼様……?」
途端に、腰を曲げるほどにうつむいてしまった鼠軼に、神依は小首を傾げる。
「その時は、やはり護れなんだと思った……。……本当に、すまなかった」
「鼠軼様……」
小さな神が更に小さく見えて、それから神依は少しだけ涙を我慢するようになった。
それを思い一人で泣きじゃくり、けれども神依が泣いている時はいつも隣に鼠軼が座して慰め、そんなことはないと語り掛けてくれた。
鼠軼は、以前と何も変わらないように思えた。ヒビの入った珠もちゃんとある。しかしやはり、神依との間には生死の境があるのだと言われた。
揺るぎない事実として、確かにあの時、この小さな鼠神は死んだのだ。
しかし何の前触れも無く天照の神威に焼かれた鼠軼の魂は、黄泉路以前にその在り方に惑い……頼りなく浮遊していたところを、誰かに導かれここに辿り着いたのだという。
「……誰か?」
「んむ。そしてな、御殿の前であの奥方に招かれた。奥方は巫女の素養があるようでな──そこで再び、この姿に顕してもらったという訳じゃ。そしたら程無くお主が連れ込まれて──」
「鼠軼様……?」
途端に、腰を曲げるほどにうつむいてしまった鼠軼に、神依は小首を傾げる。
「その時は、やはり護れなんだと思った……。……本当に、すまなかった」
「鼠軼様……」
小さな神が更に小さく見えて、それから神依は少しだけ涙を我慢するようになった。

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