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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第19章 還るべき場所
やがて意識と体の線が繋がって、少しでも自分の意思で体を動かせるようになると、今度は伸びたはずの髪が無くなっていることに気付いた。
分かっていた。頭では理解していたし、枕から伝わる感触に違和感があることも気付いていた。一度だけ触れた頭はところどころ突き刺すように指先に痛くて、下はどれだけ残っているのか、辿るのは怖くてそれ以上追えなかった。髪ならいつか伸びてくると自分で自分に言い聞かせても元に戻らない気がして、また泣いた。
こんな姿にされて、櫛名田の言うここに連れられてきた意味など何一つ思い付かない。
ずっと他人から嫌われていた自分が唯一、その他人から褒められたものだった。男達に愛でてもらったものだった。その寵愛の証のように伸びてくれた髪は今やたわしのようにじぐざぐに固くて、でなければ通り雨に遭った野良猫の毛のように四方に散らかって、惨めったらしいものに変わり果てていた。
それですぐに、一つだけ分かった。口にはしなかったが今の自分はかつて女達が呪ったように“御令孫”には相応しい姿をしておらず、ならばきっと二度とその御前に姿を見せるなと、人智の及ばぬ何かに命までもむしられて、地の底に追いやられたのだ。
分かっていた。頭では理解していたし、枕から伝わる感触に違和感があることも気付いていた。一度だけ触れた頭はところどころ突き刺すように指先に痛くて、下はどれだけ残っているのか、辿るのは怖くてそれ以上追えなかった。髪ならいつか伸びてくると自分で自分に言い聞かせても元に戻らない気がして、また泣いた。
こんな姿にされて、櫛名田の言うここに連れられてきた意味など何一つ思い付かない。
ずっと他人から嫌われていた自分が唯一、その他人から褒められたものだった。男達に愛でてもらったものだった。その寵愛の証のように伸びてくれた髪は今やたわしのようにじぐざぐに固くて、でなければ通り雨に遭った野良猫の毛のように四方に散らかって、惨めったらしいものに変わり果てていた。
それですぐに、一つだけ分かった。口にはしなかったが今の自分はかつて女達が呪ったように“御令孫”には相応しい姿をしておらず、ならばきっと二度とその御前に姿を見せるなと、人智の及ばぬ何かに命までもむしられて、地の底に追いやられたのだ。

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