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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第19章 還るべき場所
神依の上で拍を打っていた手が止まり頭の上を通り過ぎると、すぐにかちゃかちゃと器がぶつかる音がして──それから湿り気のある綿が口元に差し出された。どうしたらいいのか何故か体が覚えていて、何度か食むように唇を動かすと、乾いた口内に染み渡るように甘い味が広がる。
「ごめんね、お水はまだ少しずつしかあげられないの。喉も痛めているし、来たばかりの頃いっぺんに飲んで、びっくりするくらいむせてしまったから」
「……」
そんなことがあっただろうか。それは覚えていない。一体何日の間、眠っていたのだろう。
いや、そもそも……。
……ここはどこだろう。どうして私は、ここにいるのだろう。
けれど考えるのも億劫で、瞼も言うことを聞いてくれない。すごく美味しい水を飲んで気も済んだのか、体はまた眠りを求めているようだった。
そしてそれを察した女性も、また神依の隣で、神依の体に手を乗せて、指先だけの子守唄を歌ってくれる。
「まだ眠っていた方がいいみたい。……でもここで休めば大丈夫よ。安心して、お水も、食べ物も、みんな淡島のものだから」
「……?」
「まだ、わからないわね。でも大丈夫、きっと……から」
なんとなくその言葉に頷いて、神依は再び目を閉じた。
「ごめんね、お水はまだ少しずつしかあげられないの。喉も痛めているし、来たばかりの頃いっぺんに飲んで、びっくりするくらいむせてしまったから」
「……」
そんなことがあっただろうか。それは覚えていない。一体何日の間、眠っていたのだろう。
いや、そもそも……。
……ここはどこだろう。どうして私は、ここにいるのだろう。
けれど考えるのも億劫で、瞼も言うことを聞いてくれない。すごく美味しい水を飲んで気も済んだのか、体はまた眠りを求めているようだった。
そしてそれを察した女性も、また神依の隣で、神依の体に手を乗せて、指先だけの子守唄を歌ってくれる。
「まだ眠っていた方がいいみたい。……でもここで休めば大丈夫よ。安心して、お水も、食べ物も、みんな淡島のものだから」
「……?」
「まだ、わからないわね。でも大丈夫、きっと……から」
なんとなくその言葉に頷いて、神依は再び目を閉じた。

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