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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第19章 還るべき場所
次に目を覚ましたとき、ひょこりと視界に小さな神が顔を出した。白い毛並み、長い髭。
(……鼠軼様?)
黒い塵ではない。
更にその隣から、キィ、と子龍が嬉しそうな声を上げて顔を覗かせた。そしてなつっこく顔に擦り寄って来てくれたが、それは別の白い手にひょいと抱かれて脇に置かれてしまう。
その流れのまま、今度は自分の体が少し動かされて……その少し分だけ視界が広がると、見たことのない女性の姿が見てとれた。
「目が覚めたのね」
「……?」
いやに低い視界に、やっぱり自分は眠っていたのだと分かる。女性は少しだけ何か考えたような間を置くと、髪も衣も乱れることを気にもせず、神依の視線に合わせるように横になってくれた。
どこか無邪気そうなその顔はとても綺麗で、素朴な優しさを瞳に湛えている。線の細い、淑やかな女性のように見えたが、それだけではないのかもしれなかった。
そして先ほど小龍を抱いた細い手が、まるで子供をあやす子守唄のように、神依の肩の上でぽん、ぽんと穏やかな拍を刻む。
「……、」
あなたは、と問おうとして、声が出せないことに気付く。喉が焼けたように痛くて、渇き切っていた。
けれども女性は、それも承知のように応えてくれる。
(……鼠軼様?)
黒い塵ではない。
更にその隣から、キィ、と子龍が嬉しそうな声を上げて顔を覗かせた。そしてなつっこく顔に擦り寄って来てくれたが、それは別の白い手にひょいと抱かれて脇に置かれてしまう。
その流れのまま、今度は自分の体が少し動かされて……その少し分だけ視界が広がると、見たことのない女性の姿が見てとれた。
「目が覚めたのね」
「……?」
いやに低い視界に、やっぱり自分は眠っていたのだと分かる。女性は少しだけ何か考えたような間を置くと、髪も衣も乱れることを気にもせず、神依の視線に合わせるように横になってくれた。
どこか無邪気そうなその顔はとても綺麗で、素朴な優しさを瞳に湛えている。線の細い、淑やかな女性のように見えたが、それだけではないのかもしれなかった。
そして先ほど小龍を抱いた細い手が、まるで子供をあやす子守唄のように、神依の肩の上でぽん、ぽんと穏やかな拍を刻む。
「……、」
あなたは、と問おうとして、声が出せないことに気付く。喉が焼けたように痛くて、渇き切っていた。
けれども女性は、それも承知のように応えてくれる。

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