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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第19章 還るべき場所
あの蛟(ミズチ)を覆っていたような、黒いぶよぶよとした水とも肉とも言えぬ塊に護られて……胎児のまま、眠っている。
(……ごめんね。……ごめんなさい……)
気持ち悪いけれどいとおしくて、その生々しさが、そのまま生なのだと気付く。
しかしその表面はトカゲの鱗のような滑らかな光を宿していて、それだけはどこかで見たことがあるような気がした。同じようにくるりと丸かって、時折尻尾をゆらゆらさせながら、カゴの中で眠っていた。
……その尾のように細い光の糸が、くるくると、まだ自分と繋がっている。
(……)
糸は泥の胎児を重しにして、もう一端を神依の首に巻き付けていた。
それはまるで、お母さんのお腹に……絶対に悲しむことも傷付くこともない、優しく撫でさすられて慈しまれるだけの空間に引き留めてくれるための、尾。
「……」
どうしたらいいのか分からない。手を伸ばして糸をほどくにも千切るにも、また少女を抱こうにも退けようにも、神依はまだその手を背で戒められている。
そしてその縄をほどいてくれるのは一人しかいないのに、自分はそれを求められない。
(……ごめんね。……ごめんなさい……)
気持ち悪いけれどいとおしくて、その生々しさが、そのまま生なのだと気付く。
しかしその表面はトカゲの鱗のような滑らかな光を宿していて、それだけはどこかで見たことがあるような気がした。同じようにくるりと丸かって、時折尻尾をゆらゆらさせながら、カゴの中で眠っていた。
……その尾のように細い光の糸が、くるくると、まだ自分と繋がっている。
(……)
糸は泥の胎児を重しにして、もう一端を神依の首に巻き付けていた。
それはまるで、お母さんのお腹に……絶対に悲しむことも傷付くこともない、優しく撫でさすられて慈しまれるだけの空間に引き留めてくれるための、尾。
「……」
どうしたらいいのか分からない。手を伸ばして糸をほどくにも千切るにも、また少女を抱こうにも退けようにも、神依はまだその手を背で戒められている。
そしてその縄をほどいてくれるのは一人しかいないのに、自分はそれを求められない。

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