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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第19章 還るべき場所
いつもつまらなさそうで、ふてくされたような能面みたいな顔も。白磁のように高潔で、凛と臨んでいたあの姿も。幼子のように泣いて、照れ隠しのように笑んでくれた腫れぼったい目も。
その先も、その先も、次々と思い描いては、孤独にうちひしがれる。何とかその孤独を慰めてあげたいのに、神依にはどうすることもできない。自分の魂なのに、できない。
だけどその魂を癒してくれる男の魂とは──もう、多分、きっと。
並び立つことはできない。繋がることはできない。
「…………」
寂しくて、怖くて、嫌で嫌で仕方なくて……散々泣きじゃくって目を開ければ、膝の先に何か気持ちの悪いものがぐしゃりと濡れそぼち、落ちていた。
衣に染み込み、臀部まで濡らすその重たい水気は冷たくはない。むしろ温かい。流した涙がそのまま形になったのだろうか。
(……勾玉だ)
そしてその中心の盛り上がったぬかるみは、童が磨いてくれた虹入り水晶の勾玉と同じ形をしていた。
ただ閉ざされた、目だけが大きい。
「……」
それはきっと……神依ではない、別の少女だった。淡島から流された、まだ赤子だった神依が、辿り着いた先で一緒になったもの。
その先も、その先も、次々と思い描いては、孤独にうちひしがれる。何とかその孤独を慰めてあげたいのに、神依にはどうすることもできない。自分の魂なのに、できない。
だけどその魂を癒してくれる男の魂とは──もう、多分、きっと。
並び立つことはできない。繋がることはできない。
「…………」
寂しくて、怖くて、嫌で嫌で仕方なくて……散々泣きじゃくって目を開ければ、膝の先に何か気持ちの悪いものがぐしゃりと濡れそぼち、落ちていた。
衣に染み込み、臀部まで濡らすその重たい水気は冷たくはない。むしろ温かい。流した涙がそのまま形になったのだろうか。
(……勾玉だ)
そしてその中心の盛り上がったぬかるみは、童が磨いてくれた虹入り水晶の勾玉と同じ形をしていた。
ただ閉ざされた、目だけが大きい。
「……」
それはきっと……神依ではない、別の少女だった。淡島から流された、まだ赤子だった神依が、辿り着いた先で一緒になったもの。

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