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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第19章 還るべき場所
自身の爪先さえその肉塊に阻まれて見えなくて、神依は真っ青になった。
「ぁ……あぁ……ッ」
咄嗟に、孕んでいるのだと思った。それだけは何故か理解できた。
しかし──いつ、そんなことになったのか分からない。いつ、誰と?
(……なんで? どうして?)
十月(とつき)を迎えた女のように大きく膨れ上がった腹を抱き、神依はその場にへたりこむ。
──一体、誰の子?
──……あの方の子?
でも、待って。そもそもこの腹に入っているものは何なんだろう。
自分ではないもの。あの人でもないもの。どこから来たか分からないもの。
(怖い)
心臓が震えて、冷たい汗が吹き出る。ぞわぞわと体の中を何かが這い登るような、そんな肌寒さが芯で疼く。誰かに助けを求めようと思ったが、ここには窓も扉も無いし、誰もいない。
──あの方も、来てくれない。
──だけど……
パチ、パチと、何かが小気味良く弾ける音が聞こえてきたのは、その時だった。
(……?)
同じくして闇が緋を帯び、背がほかほかと温かくなる。それは始め、心細さと肌寒さを感じていた神依には少しだけ喜ばしいことだった。
しかし──
「ひっ……!?」
「ぁ……あぁ……ッ」
咄嗟に、孕んでいるのだと思った。それだけは何故か理解できた。
しかし──いつ、そんなことになったのか分からない。いつ、誰と?
(……なんで? どうして?)
十月(とつき)を迎えた女のように大きく膨れ上がった腹を抱き、神依はその場にへたりこむ。
──一体、誰の子?
──……あの方の子?
でも、待って。そもそもこの腹に入っているものは何なんだろう。
自分ではないもの。あの人でもないもの。どこから来たか分からないもの。
(怖い)
心臓が震えて、冷たい汗が吹き出る。ぞわぞわと体の中を何かが這い登るような、そんな肌寒さが芯で疼く。誰かに助けを求めようと思ったが、ここには窓も扉も無いし、誰もいない。
──あの方も、来てくれない。
──だけど……
パチ、パチと、何かが小気味良く弾ける音が聞こえてきたのは、その時だった。
(……?)
同じくして闇が緋を帯び、背がほかほかと温かくなる。それは始め、心細さと肌寒さを感じていた神依には少しだけ喜ばしいことだった。
しかし──
「ひっ……!?」

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