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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第19章 還るべき場所
 (やっぱり……いつまでもこのままじゃダメだよね。……起きなきゃ)
そう思うと、自然と体に力が戻ってくる。その人達のためと思えば、平気だった。
 それにあまり寝過ぎると、また誰かに怒られてしまう。
 「……」
神依はのろのろと体を起こし立ち上がると、唯一の出入口と思われる戸口の方へと歩みを進める。
 一番最初に起きて居間で待っていたら、その誰かはどんな顔をするだろう。驚く? それとも褒めてくれるだろうか、いや、きっと意地悪を言われるに違いない。
 (……え?)
しかし戸口の前まで来たところで、あることに気付いた。
 その戸には、取っ手が無い。それどころか、妙に固くてざらざらしていて……変な臭いもする。
 どうやら土が塗り固められていて、自分は閉じ込められてしまっているようだった。
 「……」
どうしていいか分からずあちこち探りながら触れれば、表面がぼろぼろと崩れて床に落ちる。
(……ッ!?)
そしてその土くれを追って視線を下に向けた時……神依は自身の体の異形の変化に気付いて、愕然とした。
 目の前には到底自分とは思えない形のものが張り出していて、追ったはずの土もそれに隠れて見えない。
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