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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第19章 還るべき場所
【1】
(ん……)
気付くと神依は、広い御殿の中にいた。
辺りは薄暗く、窓も無いため時間は分からない。朝の薄暗さか宵の薄暗さか、どちらだろう。ただよく目をこらして見ると自分は白っぽい着物を着ていて、布団に寝かされていた。
(私……いつから……?)
知らない場所。なのにどうして、こんなところで眠っていたのだろう。
だが、確かに体はだるくて重い。自分のものではないような気さえする。妙にお腹の辺りが張っていて、寝返りも一苦労だった。
(……そういえば……進貢は?)
もしも今が朝だとしたら、広場に向かわなければいけない。なんだかもう、随分とあの広場に行っていなかった気がする。たくさん休んでしまった。
不意に思い出したのは……誰か、大切な人のこと。
その人達のことを想いながら花を摘むのは、嬉しい反面ちょっと照れ臭くて、毎日していてもそれだけは慣れなくて。
だけど、終わった後は心がほっこりする気がした。甘い綿菓子を食まされているような、ご褒美に、優しく抱きしめられているような──そんな、ほわりと包まれる感覚は、嫌いではなかった。
……叶うならば、大好きな人達も同じような心地であって欲しかった。
(ん……)
気付くと神依は、広い御殿の中にいた。
辺りは薄暗く、窓も無いため時間は分からない。朝の薄暗さか宵の薄暗さか、どちらだろう。ただよく目をこらして見ると自分は白っぽい着物を着ていて、布団に寝かされていた。
(私……いつから……?)
知らない場所。なのにどうして、こんなところで眠っていたのだろう。
だが、確かに体はだるくて重い。自分のものではないような気さえする。妙にお腹の辺りが張っていて、寝返りも一苦労だった。
(……そういえば……進貢は?)
もしも今が朝だとしたら、広場に向かわなければいけない。なんだかもう、随分とあの広場に行っていなかった気がする。たくさん休んでしまった。
不意に思い出したのは……誰か、大切な人のこと。
その人達のことを想いながら花を摘むのは、嬉しい反面ちょっと照れ臭くて、毎日していてもそれだけは慣れなくて。
だけど、終わった後は心がほっこりする気がした。甘い綿菓子を食まされているような、ご褒美に、優しく抱きしめられているような──そんな、ほわりと包まれる感覚は、嫌いではなかった。
……叶うならば、大好きな人達も同じような心地であって欲しかった。

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