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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第18章 垂る穂
「──何を──、っ!?」
ただ一点、何の罪も無い少女を焼いてしまったという事実にだけは後ろめたさを感じていた天照は、日嗣の訴えに一瞬怯んで反撃の機を逃す。
しかし直後、それ以上は必要無いとでも言わんばかりに後ろから突然抱き上げられて、その場に在る誰よりも高い目線に持ち上げられた。
さらりと視界に入ったのは、蜘蛛の糸程にも細く、月光を裂いた白銀の糸房……。
「つ、月読……」
「聞く気も無い者に、貴女様御自ら口をお利きになる必要はありませぬ……姉上」
月読は片手で剣と玉を拾い、片手で天照を抱き上げると、相変わらず小馬鹿にしたような眼差しで日嗣を見つめる。
しかしその眼差しは不可思議な色を帯び、また夜眠る神々の前には決して安易に姿を見せないその神の美麗さに、集まった神々もその性別を問わず萎縮した空気を緩ませた。それは花笑のように、雲間から洩れ出(いず)る淡い光のように。
そしてその月の神は、脅すでもなく圧するでもなく、いつものように柔く気だるげな口調で日嗣に向かう。
ただ一点、何の罪も無い少女を焼いてしまったという事実にだけは後ろめたさを感じていた天照は、日嗣の訴えに一瞬怯んで反撃の機を逃す。
しかし直後、それ以上は必要無いとでも言わんばかりに後ろから突然抱き上げられて、その場に在る誰よりも高い目線に持ち上げられた。
さらりと視界に入ったのは、蜘蛛の糸程にも細く、月光を裂いた白銀の糸房……。
「つ、月読……」
「聞く気も無い者に、貴女様御自ら口をお利きになる必要はありませぬ……姉上」
月読は片手で剣と玉を拾い、片手で天照を抱き上げると、相変わらず小馬鹿にしたような眼差しで日嗣を見つめる。
しかしその眼差しは不可思議な色を帯び、また夜眠る神々の前には決して安易に姿を見せないその神の美麗さに、集まった神々もその性別を問わず萎縮した空気を緩ませた。それは花笑のように、雲間から洩れ出(いず)る淡い光のように。
そしてその月の神は、脅すでもなく圧するでもなく、いつものように柔く気だるげな口調で日嗣に向かう。

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