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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第18章 垂る穂
そしてそんな玉衣の姿を、男神として最後まで間近に見ていた伍名は何も語らず、眼差しでその重荷を受け取る。日嗣もまた、今の自分が抱(いだ)ける分、抱くべきもののために、それを──差し出した。
「……すまない。伍名、後は任せた」
「はい」
「それから……彦」
「おう──心配すんな。お前の先導は俺の役目だからな。最後まできっかり、付き合ってやらぁ」
「……ああ。頼んだ」
「ま……待て、日嗣……。お前はわらわの話を、聞いておらなんだのか……あっ」
そうして短く言葉を交わす三人に、天照は慌てて縁側から飛び出して日嗣を追おうとするが叶わない。
日嗣は準備のために一度高天原に戻る旨だけ猿彦に伝え、天照にはもはや言葉すら返さず怒りに満ちた冷徹な眼差しで応えると、友と二人その姿をかき消した。
「……」
残された天照はぱくぱくと唇だけを動かし、伸ばした手をどうしていいのか分からずその場に立ち尽くす。代わりに動いたのは伍名で、まず禊と童に目を遣ると、それから皆を見渡し、告げた。
「──まずは傷付いた者達の治療をしよう。何か心得がある者は残り、私の手伝いをしておくれ。そうでない者は片付けを。巫女達はここにいては良くない。一度自らの住まいにお戻り。
「……すまない。伍名、後は任せた」
「はい」
「それから……彦」
「おう──心配すんな。お前の先導は俺の役目だからな。最後まできっかり、付き合ってやらぁ」
「……ああ。頼んだ」
「ま……待て、日嗣……。お前はわらわの話を、聞いておらなんだのか……あっ」
そうして短く言葉を交わす三人に、天照は慌てて縁側から飛び出して日嗣を追おうとするが叶わない。
日嗣は準備のために一度高天原に戻る旨だけ猿彦に伝え、天照にはもはや言葉すら返さず怒りに満ちた冷徹な眼差しで応えると、友と二人その姿をかき消した。
「……」
残された天照はぱくぱくと唇だけを動かし、伸ばした手をどうしていいのか分からずその場に立ち尽くす。代わりに動いたのは伍名で、まず禊と童に目を遣ると、それから皆を見渡し、告げた。
「──まずは傷付いた者達の治療をしよう。何か心得がある者は残り、私の手伝いをしておくれ。そうでない者は片付けを。巫女達はここにいては良くない。一度自らの住まいにお戻り。

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