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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第18章 垂る穂
「く……来るな、わらわに近付くな……! 何ゆえ──何ゆえお前がここに! 今この場に現れるのじゃ!!」
「それは姉上が若返りを果たす程、ことごとくにお嫌いになった我ら三貴子が母──原初の女神、伊邪那美命(イザナミノミコト)の命に因りて」
「なっ……何……」
素戔鳴が地に降り立つと、小さな姉は殊更に声を張り上げて威嚇してきた。しかしそれは、素戔鳴に取っては仔猫が毛を逆立てている様にも等しい。
「でたらめを申すな……わらわ達に母など居らぬ……!!」
「同じ女であるが故に、姉上には見えぬ。見えぬから求めて、そのような幼子の姿になってしまわれたのでしょう。疾く元の姿に戻ってもらわねば、狼藉を働こうにも勃つものも勃ちませぬ──」
「……っ、……ッ!!」
その余りに直接的で下世話な物言いに、天照は真っ赤になってわなわなと震え言葉を失った。今までどこの世界に、自分に対してこのような無礼を働く者が在っただろう。
羞恥から今にも泣きそうな顔で眉を吊り上げて着物を握るその姿は、はたから見ればおねだりを聞いてもらえなかった子供のように随分と可愛らしいものに見えるのだが──そんな姿になって久しい姉に、素戔鳴は豪快に笑ってそれを揶揄して見せた。
「それは姉上が若返りを果たす程、ことごとくにお嫌いになった我ら三貴子が母──原初の女神、伊邪那美命(イザナミノミコト)の命に因りて」
「なっ……何……」
素戔鳴が地に降り立つと、小さな姉は殊更に声を張り上げて威嚇してきた。しかしそれは、素戔鳴に取っては仔猫が毛を逆立てている様にも等しい。
「でたらめを申すな……わらわ達に母など居らぬ……!!」
「同じ女であるが故に、姉上には見えぬ。見えぬから求めて、そのような幼子の姿になってしまわれたのでしょう。疾く元の姿に戻ってもらわねば、狼藉を働こうにも勃つものも勃ちませぬ──」
「……っ、……ッ!!」
その余りに直接的で下世話な物言いに、天照は真っ赤になってわなわなと震え言葉を失った。今までどこの世界に、自分に対してこのような無礼を働く者が在っただろう。
羞恥から今にも泣きそうな顔で眉を吊り上げて着物を握るその姿は、はたから見ればおねだりを聞いてもらえなかった子供のように随分と可愛らしいものに見えるのだが──そんな姿になって久しい姉に、素戔鳴は豪快に笑ってそれを揶揄して見せた。

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