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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第17章 父が歩んだ道
「愚かって何だよ──こんなになるまで姉ちゃんが、お前らに何をしたって言うんだよ! 姉ちゃんは、本当にあんたのことが好きだったのに──きっと洞主としての役目以上に、あんたのことが好きだったのに!!」
「──そう。それは良いこと」
ほほほ、と声を上げていかにも愉しげに、にこにこと笑む玉衣に、童の背筋に冷たいものが走る。
一人の少女が今にも事切れそうな中。何故この状況で、そんなに朗らかに笑えるのか──それは人として、常軌を逸した光景だった。
──狂っている。
そのあまりに純粋な、あるがままの少年の視線は、その場にあった何人かの女達の呪縛を解き、またお互いにお互いの影に隠れるような気まずい空気を作る。しかし玉衣だけはそれにも動じず、むしろ気高くもさえ見えてそこに在った。
「お前……何だよ……、何なんだよ……」
「……お前が言うように、今の私は洞主ではない。今の私はただ愛しい人を奪われただけの女。……私はまだ愛らしい少女だった頃からあの方を求め、いつかきっと振り向いてくれるとあの方が望むように変わってきたのだ」
「……あの……方……? あ……」
「そう。分かるでしょう?」
「──そう。それは良いこと」
ほほほ、と声を上げていかにも愉しげに、にこにこと笑む玉衣に、童の背筋に冷たいものが走る。
一人の少女が今にも事切れそうな中。何故この状況で、そんなに朗らかに笑えるのか──それは人として、常軌を逸した光景だった。
──狂っている。
そのあまりに純粋な、あるがままの少年の視線は、その場にあった何人かの女達の呪縛を解き、またお互いにお互いの影に隠れるような気まずい空気を作る。しかし玉衣だけはそれにも動じず、むしろ気高くもさえ見えてそこに在った。
「お前……何だよ……、何なんだよ……」
「……お前が言うように、今の私は洞主ではない。今の私はただ愛しい人を奪われただけの女。……私はまだ愛らしい少女だった頃からあの方を求め、いつかきっと振り向いてくれるとあの方が望むように変わってきたのだ」
「……あの……方……? あ……」
「そう。分かるでしょう?」

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