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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第17章 父が歩んだ道
「う……ふ、ぅっ……うえぇッ!!」
その、余りにむごたらしい有り様と舌に乗せられたものの味、感触を想像してしまった神依は胃の奥からこみ上げてくるものを抑えられず、やり過ごすこともできず汁を吐き出す。酸の味は酷く、何度もえづいて、ようやく出てくるものも無くなった。
(──酷い……)
あまりに酷過ぎる。
「汚ならしい、こちらまで臭いそう。早うお流し」
「……」
しかしそれすら訴えられず、せせら笑う洞主の言葉に数回神依の顔面に水が浴びせられる。もちろん口の中にも入ったが、今は飲み込む気も起きなかった。それどころか、もう何も考えたくない。
「苦しいかえ?」
「……、」
「しかし私達かて鬼ではない──その口枷を外してやっても良いが、いかがする」
「……?」
だがそんな暗闇のような心境の中に突如、一筋の救いの糸が垂らされた。
その真義を問うかのように神依が視線を持ち上げると、神依の言葉を聞くより前に大兄によってその道具が取り外された。
「あ……」
その意図は分からなかったが、久しぶりに味わう解放感に神依はゆっくりと口を動かす。凝り固まってしまった頬と顎の筋が痛むが、それでもその一時の痛みに耐えて再び上下の唇を合わせれば、こくりと自然に喉が動いた。
その、余りにむごたらしい有り様と舌に乗せられたものの味、感触を想像してしまった神依は胃の奥からこみ上げてくるものを抑えられず、やり過ごすこともできず汁を吐き出す。酸の味は酷く、何度もえづいて、ようやく出てくるものも無くなった。
(──酷い……)
あまりに酷過ぎる。
「汚ならしい、こちらまで臭いそう。早うお流し」
「……」
しかしそれすら訴えられず、せせら笑う洞主の言葉に数回神依の顔面に水が浴びせられる。もちろん口の中にも入ったが、今は飲み込む気も起きなかった。それどころか、もう何も考えたくない。
「苦しいかえ?」
「……、」
「しかし私達かて鬼ではない──その口枷を外してやっても良いが、いかがする」
「……?」
だがそんな暗闇のような心境の中に突如、一筋の救いの糸が垂らされた。
その真義を問うかのように神依が視線を持ち上げると、神依の言葉を聞くより前に大兄によってその道具が取り外された。
「あ……」
その意図は分からなかったが、久しぶりに味わう解放感に神依はゆっくりと口を動かす。凝り固まってしまった頬と顎の筋が痛むが、それでもその一時の痛みに耐えて再び上下の唇を合わせれば、こくりと自然に喉が動いた。

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