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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第17章 父が歩んだ道
(あ──)
そしてすぐにそれが鯉ではないことを理解した神依は、必死で声を上げて止めるよう訴える。
「──あああ! あああああっ!!」
口の枷のせいで、声は言葉にはならない。よく声が上げられたと思う程に喉も痛んだが、けれどそれよりも捕まったら何か酷いことをされるのだけは理解できて、神依は止めてくれるよう必死で頭を横に振って叫んだ。
しかしその慟哭は瞬き男達の動きを停めただけで、叫び過ぎて咽べば女達には汚いと罵られ、その口を塞ぐように捨てられた菓子屑や塵を詰められそうになる。
縄に阻まれ動かぬ体を無理に捩って男達の手を避けようとするが、それは逆に餌を投げられて飛び付く犬のようだと嗤われた。どんな感傷をこめようとも、神依がするあらゆることは、もう、彼女達には嘲笑の対象でしかないのだ。一度外れてしまった「たが」は易々とは戻らず、集団で膨れ上がった悪意には際限がない。
その筆頭に、玉衣はあの美しい声でころころと笑い続けた。
「そのぽかんと開いた口に生け作りの刺身を入れるか、直火で炙った蒲焼きの白身を入れるか──それが嫌なら噂通り、下の口にくわえて踊って貰うか、せっかく好きなものを選ばせてやろうと思うたに」
そしてすぐにそれが鯉ではないことを理解した神依は、必死で声を上げて止めるよう訴える。
「──あああ! あああああっ!!」
口の枷のせいで、声は言葉にはならない。よく声が上げられたと思う程に喉も痛んだが、けれどそれよりも捕まったら何か酷いことをされるのだけは理解できて、神依は止めてくれるよう必死で頭を横に振って叫んだ。
しかしその慟哭は瞬き男達の動きを停めただけで、叫び過ぎて咽べば女達には汚いと罵られ、その口を塞ぐように捨てられた菓子屑や塵を詰められそうになる。
縄に阻まれ動かぬ体を無理に捩って男達の手を避けようとするが、それは逆に餌を投げられて飛び付く犬のようだと嗤われた。どんな感傷をこめようとも、神依がするあらゆることは、もう、彼女達には嘲笑の対象でしかないのだ。一度外れてしまった「たが」は易々とは戻らず、集団で膨れ上がった悪意には際限がない。
その筆頭に、玉衣はあの美しい声でころころと笑い続けた。
「そのぽかんと開いた口に生け作りの刺身を入れるか、直火で炙った蒲焼きの白身を入れるか──それが嫌なら噂通り、下の口にくわえて踊って貰うか、せっかく好きなものを選ばせてやろうと思うたに」

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