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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第17章 父が歩んだ道
「蛭の巫女。お前が解放される道は先にわらわが示した通り──地に伏して砂を舐め、わらわが恩情をくれてやりたくなる程に卑しく、惨めに、思いつく限り自らを辱しめる言葉を吐いて詫び、二度と月読と日嗣にまとわりつかぬと誓うこと。或いはもがき醜く成り果てて、鼠の後を追うのでも良いぞ。それらが何を意味するか、その愚かな頭でようよう考えて、わらわ達が退屈せぬ苦悶の顔を見せてみよ」
「な……何をするの……?」
散乱する道具と女達の歪んだ笑み。そして天照の言葉を遮るように目の前に立ちはだかった大兄に、神依は震える声で問う。
しかし大兄はそれには答えず、ただ無機質な瞳で、神依にだけ聞こえるような低い声で唸った。
「だから俺は……あのとき辞めろと言ったんだ……」
「大兄さん──」
その刹那、神依の脳裏に傘をさして去っていく大きな背が蘇った。
玉衣と、自分と、その狭間で大兄が選び取れる優しさはきっとごくわずかであったに違いない。けれどもあの時、大兄は既に何かを察しそれを選んでくれていたのだ。
──しかしあのとき頭を撫でてくれた優しい手は、今や無慈悲に背後の巫女、そして“禊”達の罪を一身に引き受け、神依の身に新たな枷を施していく。自らの心にも、錠をかけるように。
「な……何をするの……?」
散乱する道具と女達の歪んだ笑み。そして天照の言葉を遮るように目の前に立ちはだかった大兄に、神依は震える声で問う。
しかし大兄はそれには答えず、ただ無機質な瞳で、神依にだけ聞こえるような低い声で唸った。
「だから俺は……あのとき辞めろと言ったんだ……」
「大兄さん──」
その刹那、神依の脳裏に傘をさして去っていく大きな背が蘇った。
玉衣と、自分と、その狭間で大兄が選び取れる優しさはきっとごくわずかであったに違いない。けれどもあの時、大兄は既に何かを察しそれを選んでくれていたのだ。
──しかしあのとき頭を撫でてくれた優しい手は、今や無慈悲に背後の巫女、そして“禊”達の罪を一身に引き受け、神依の身に新たな枷を施していく。自らの心にも、錠をかけるように。

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