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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第17章 父が歩んだ道
「誰もの目にも分かるよう、優しいわらわがそなたの志の手助けをしてやろうというのだ。じりじりと真夏の光に炙られて、我が父に未だ忌々しくつきまとう怨嗟の如く肌を爛れ腐らせて──それでもなお男神共にお前を求める美しき言葉を吐かせてみせたなら、わらわもお前の内側にある、見えぬ心とやらを認めてやろう」
「な……、なに……?」
「お待ち下さい……! それだけは──」
その水飴のようにどろりと甘ったるい声で紡がれた天照の言葉を、神依が理解するより早く女達が歓声を上げて持て囃し、禊が這って停める。
動かぬ体を捻り、体内にうねる激痛を抑えて。汗を滲ませ主と同じ姿を作ると、先に主が神に詰(なじ)られた通りに土に額を擦り付けた。
禊はそれが数多の男神に取って何を意味するのか知っている。そうでなくともそんな凄惨な運命を、あんなにも小さく見える主に負わせたくはなかった。
「芋虫が」
しかし天照は無慈悲に短く吐き捨て、強者の笑みを作るのみ。一瞥をくれてやったことさえ過大であったことに気付き、巫女を囲む下男らをぐるりと見回す。
「誰ぞ慈悲がある者がおうたら、軒の柱にでもくくっておけ。でなければ砂ごと菓子を啜らせて、小娘の元まで這わせ同じように焦がしてやるぞ」
「な……、なに……?」
「お待ち下さい……! それだけは──」
その水飴のようにどろりと甘ったるい声で紡がれた天照の言葉を、神依が理解するより早く女達が歓声を上げて持て囃し、禊が這って停める。
動かぬ体を捻り、体内にうねる激痛を抑えて。汗を滲ませ主と同じ姿を作ると、先に主が神に詰(なじ)られた通りに土に額を擦り付けた。
禊はそれが数多の男神に取って何を意味するのか知っている。そうでなくともそんな凄惨な運命を、あんなにも小さく見える主に負わせたくはなかった。
「芋虫が」
しかし天照は無慈悲に短く吐き捨て、強者の笑みを作るのみ。一瞥をくれてやったことさえ過大であったことに気付き、巫女を囲む下男らをぐるりと見回す。
「誰ぞ慈悲がある者がおうたら、軒の柱にでもくくっておけ。でなければ砂ごと菓子を啜らせて、小娘の元まで這わせ同じように焦がしてやるぞ」

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