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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第17章 父が歩んだ道
それは……余りに非情で、余りに無慈悲な言葉の蹂躙だった。その玉衣の言葉の一つ一つが、淡島に流れ着いてより神依が育んできた、あらゆるものを打ち壊す槌(つち)だった。
洞主でさえ、今日までの神依の──その心を、心のあり方を定める一因であったというのに。神依が結んできた絆も、その絆が培ってくれた想いも、その全てが未だ「足りない」劣化品だと嗤われて、その価値を貶められてしまった。
──確かに神依は何も知らない。
目の前の女性が何を思い、誰を想い、どう生きてきたのか、何も知らない。
それを考えたこともあったが、問わなかった。血の繋がりは無くとも良き母であると彼女を見定め、その笑みと声に甘えるだけだった。──それが、いけなかったのだろうか。知らず知らず、彼女に苦しみを与えていたのだろうか。
だとしたら……、いや、でも。
初めてあの白砂の浜で出会った時、彼女はなんと言っただろう。
それを許して貰えると思っていたのに。それを信じていたのに。
まるで子を慈しむように優しく撫でてくれたあの指先も、言葉も、全て全て偽りだったのだろうか。
(……ああ)
洞主でさえ、今日までの神依の──その心を、心のあり方を定める一因であったというのに。神依が結んできた絆も、その絆が培ってくれた想いも、その全てが未だ「足りない」劣化品だと嗤われて、その価値を貶められてしまった。
──確かに神依は何も知らない。
目の前の女性が何を思い、誰を想い、どう生きてきたのか、何も知らない。
それを考えたこともあったが、問わなかった。血の繋がりは無くとも良き母であると彼女を見定め、その笑みと声に甘えるだけだった。──それが、いけなかったのだろうか。知らず知らず、彼女に苦しみを与えていたのだろうか。
だとしたら……、いや、でも。
初めてあの白砂の浜で出会った時、彼女はなんと言っただろう。
それを許して貰えると思っていたのに。それを信じていたのに。
まるで子を慈しむように優しく撫でてくれたあの指先も、言葉も、全て全て偽りだったのだろうか。
(……ああ)

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