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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第17章 父が歩んだ道
(……鼠軼様)
そして最後まで、自分の身より神依とその家族を重んじてくれた、小さいけれど優しい神様。それは確かに獣の姿をしていたが、その心と命は、決して軽んじられるものではなかったはずだ。
屈するか、抗うか。決断の時は、天照からもたらされた。
「──どうした。早う頭を垂れて、わらわに詫びぬか。穢らわしくも蟲共と睦んだ身でありながら、その蛭のような吸い口で男神をたぶらかした浅ましき巫女、卑しき女ですと認め、二度とこの島から出ぬことを誓え。さすれば罰は、わらわ達の気が済むまで塵入れとして在ることだけで許そうぞ?
日嗣と月読にはわらわから言って聞かせる故、お前が思い煩うことは何もない。お前がいかほどに無様で汚ならしく下賎な娘であったか、言葉にするにもおぞましい、思い付く限りの汚物に喩えて語ってやる」
「……」
天照は、まるで子供が母親に何かを自慢する時のように可愛い仕草と声とでさえずる。それに追随する小鳥の群は、その小さな嘴でつつくように物言わぬ的に何かを投げ付ける。
けれども神依はそれさえどうでもいいように、暴れる鼓動と震える歯を抑えつけるために一度ごくりと息を呑み、渇いた喉と舌を癒すと、口を開いた。
そして最後まで、自分の身より神依とその家族を重んじてくれた、小さいけれど優しい神様。それは確かに獣の姿をしていたが、その心と命は、決して軽んじられるものではなかったはずだ。
屈するか、抗うか。決断の時は、天照からもたらされた。
「──どうした。早う頭を垂れて、わらわに詫びぬか。穢らわしくも蟲共と睦んだ身でありながら、その蛭のような吸い口で男神をたぶらかした浅ましき巫女、卑しき女ですと認め、二度とこの島から出ぬことを誓え。さすれば罰は、わらわ達の気が済むまで塵入れとして在ることだけで許そうぞ?
日嗣と月読にはわらわから言って聞かせる故、お前が思い煩うことは何もない。お前がいかほどに無様で汚ならしく下賎な娘であったか、言葉にするにもおぞましい、思い付く限りの汚物に喩えて語ってやる」
「……」
天照は、まるで子供が母親に何かを自慢する時のように可愛い仕草と声とでさえずる。それに追随する小鳥の群は、その小さな嘴でつつくように物言わぬ的に何かを投げ付ける。
けれども神依はそれさえどうでもいいように、暴れる鼓動と震える歯を抑えつけるために一度ごくりと息を呑み、渇いた喉と舌を癒すと、口を開いた。

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