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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第17章 父が歩んだ道
 乳房を強調するようにその上下に幾重にも縄をまかれ、脇の下から絞られる。それをした男はふとその髪の艶に気付き、巻き込まぬよう今更手で退けてやった。
 よく目立つ娘ではあったが、結局──あの一の禊と天つ日嗣ぎの神以外、誰も娘のことを、本当の意味で見てなどいなかったのかもしれなかった。
 また男達は別の縄の一端を背の縄と結び付けると、もう一端を庭木の枝の上に通して軽く引き、淵の竹垣に縛りつけた。それで神依は滑車で吊られたように半身を引き上げられ、もう顔を隠すことも許されないまま残酷な観客達の前に晒される。
 女体を辱しめられるように縄を掛けられ隷属を強いられるように座し、糸筋の髪を涙に濡れたまつげと頬に絡めて身を震わす娘は、男も女もその獣欲を煽るには充分な気がした。男が戯れに沓(くつ)先でつつけば巫女は怯えたように反対側に身を捩り、けれども固く回された縄にそれもままならない。
 巫女達は、きゃあきゃあと可愛らしい声を上げながら菓子くずや塵(ごみ)を投げつけ、それが神依の体に当たれば手を叩いて笑い合う。
 たった一人、地に横たわる禊は悔しさと怒りに顔を歪め、もはや羞恥すら感じず涙を滲ませていた。
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