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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第17章 父が歩んだ道
が、猛烈な目眩に襲われてそれもままならない。四つん這いのような姿勢のまま、耳に届く主の悲痛な呼び声に何とか答えようとするのだが──できなかった。
体内を撹拌されるような吐き気を催して、それを抑えるので精一杯。耳まで痺れる頭部の重い激痛に、唸るのがやっとだった。
「聞こえるか、大弟。……お前は確かに、“禊”だ。俺もようやくそれを認めてやれる。だが──それを認めるなら、俺は俺の主のために、別の主の禊であるお前に容赦はせん」
「お……おえ……」
「止血だけはしてやる。常温で腐らんといいな」
大兄はそれだけ言うと、おもむろに手にした酒瓶を近くにあった庭石に振りかざし叩き割る。
瓶は鈍い破裂音と共に、大兄が握る首と胴体の半分を残して砕けた。その割れ口は鋭く、それを見た神依は先程の大兄の言葉の意味を理解して、血の気の失せた顔をしてすがるように頭を横に振る。
「嘘……や、やめて……。禊──禊、お願い逃げて……」
「……」
しかしそんな神依を大兄は一瞥するに留め、物も言わず禊の傍らに片膝をつくと、その左足目掛けて割れた瓶を突き刺した。
「──あ゛ああぁぁッ!!」
「ひ……っ」
体内を撹拌されるような吐き気を催して、それを抑えるので精一杯。耳まで痺れる頭部の重い激痛に、唸るのがやっとだった。
「聞こえるか、大弟。……お前は確かに、“禊”だ。俺もようやくそれを認めてやれる。だが──それを認めるなら、俺は俺の主のために、別の主の禊であるお前に容赦はせん」
「お……おえ……」
「止血だけはしてやる。常温で腐らんといいな」
大兄はそれだけ言うと、おもむろに手にした酒瓶を近くにあった庭石に振りかざし叩き割る。
瓶は鈍い破裂音と共に、大兄が握る首と胴体の半分を残して砕けた。その割れ口は鋭く、それを見た神依は先程の大兄の言葉の意味を理解して、血の気の失せた顔をしてすがるように頭を横に振る。
「嘘……や、やめて……。禊──禊、お願い逃げて……」
「……」
しかしそんな神依を大兄は一瞥するに留め、物も言わず禊の傍らに片膝をつくと、その左足目掛けて割れた瓶を突き刺した。
「──あ゛ああぁぁッ!!」
「ひ……っ」

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