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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第16章 白日の下
大兄の目から見ても禊の瞳に宿る闘志は明らかで、背に庇う巫女をどれほど想っていたのか……手に取るように理解できた。
けれども多勢に無勢。悪あがきだ。
「……大弟、俺はお前に害をなす気はない。大人しく巫女を差し出して下がるなら、お前には何もしない。玉衣様も、それをお望みだろう」
「大兄……ッ!」
ただ淡々と語られたそれに、禊はいつかのように歯を剥き出して唸る。
「禊や童は巫覡の第二第三の命であれと……それが失われようとも、第一の命が無事ならばいいと、私にそう仕込んだのは貴方だ……!」
「……この状況で、よく言えたもんだ。だが今は、お前がそれを賭しても巫女の命がどうなるか……もう、誰にも判らん」
「ならば尚更、私がここを譲る訳には参りません……!!」
その時、更に背後に在る巫女を庇うよう伸ばされた手に、大兄は見慣れない紐飾りがあることに気付いた。
それは小さな水晶の粒が編まれただけの素朴なもの。前に会った時も身に付けていただろうか。覚えていない。ただ今は、天照が喚んだ日の光に美しく煌めきを宿している。
糸のよりや編み込みが甘く、不出来だったが……しかし神依が同じものを身に付けていることにも気付いて、大兄の中には静かな憤りと──嫉妬が生まれた。
けれども多勢に無勢。悪あがきだ。
「……大弟、俺はお前に害をなす気はない。大人しく巫女を差し出して下がるなら、お前には何もしない。玉衣様も、それをお望みだろう」
「大兄……ッ!」
ただ淡々と語られたそれに、禊はいつかのように歯を剥き出して唸る。
「禊や童は巫覡の第二第三の命であれと……それが失われようとも、第一の命が無事ならばいいと、私にそう仕込んだのは貴方だ……!」
「……この状況で、よく言えたもんだ。だが今は、お前がそれを賭しても巫女の命がどうなるか……もう、誰にも判らん」
「ならば尚更、私がここを譲る訳には参りません……!!」
その時、更に背後に在る巫女を庇うよう伸ばされた手に、大兄は見慣れない紐飾りがあることに気付いた。
それは小さな水晶の粒が編まれただけの素朴なもの。前に会った時も身に付けていただろうか。覚えていない。ただ今は、天照が喚んだ日の光に美しく煌めきを宿している。
糸のよりや編み込みが甘く、不出来だったが……しかし神依が同じものを身に付けていることにも気付いて、大兄の中には静かな憤りと──嫉妬が生まれた。

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