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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第16章 白日の下
【4】
「──さあ、天照様。今はもはや、ここに在る全ての巫女と禊があなた様の僕。あなた様の手足となって、不埒な巫女に制裁を科しましょう。見せ物は、それに相応しい高座で。
──お前達も早う宴の準備を。天照様をお待たせしてはなりませぬえ」
はーい、といかにも頭の悪そうな返事と共に、巫女達は和気あいあいとお喋りをしながら勝手に家に上がり、庭に面したあらゆる部屋の障子や襖を取り払った。
家中を物色しては何故か居間にあった卓を運んで、それを御座に見立てて布を張り座布団を重ね、庭を見渡せる一等地に置く。それから持ち寄った菓子やら果物やらを広げて、その中心に天照を据えた。
更に彼女の回りには極上の酒を並べて。神依の部屋も、あっという間に彼女らに侵されてしまった。
「洞主様……」
真っ青な顔で、願いと絶望という正反対の感情をこめて口にした呼び掛けにも洞主はもはや、応えない。
それは神依の心に反してあまりにかそけき声であったことが原因だったが、たとえ洞主の耳に届いていたとしても、彼女が応えることは無かっただろう。
そして既にそれを承知の禊は、眼前を覆うように立ちはだかる“禊”の群れと……その先頭に立つ、大兄を睨み付けて向かい合った。
「──さあ、天照様。今はもはや、ここに在る全ての巫女と禊があなた様の僕。あなた様の手足となって、不埒な巫女に制裁を科しましょう。見せ物は、それに相応しい高座で。
──お前達も早う宴の準備を。天照様をお待たせしてはなりませぬえ」
はーい、といかにも頭の悪そうな返事と共に、巫女達は和気あいあいとお喋りをしながら勝手に家に上がり、庭に面したあらゆる部屋の障子や襖を取り払った。
家中を物色しては何故か居間にあった卓を運んで、それを御座に見立てて布を張り座布団を重ね、庭を見渡せる一等地に置く。それから持ち寄った菓子やら果物やらを広げて、その中心に天照を据えた。
更に彼女の回りには極上の酒を並べて。神依の部屋も、あっという間に彼女らに侵されてしまった。
「洞主様……」
真っ青な顔で、願いと絶望という正反対の感情をこめて口にした呼び掛けにも洞主はもはや、応えない。
それは神依の心に反してあまりにかそけき声であったことが原因だったが、たとえ洞主の耳に届いていたとしても、彼女が応えることは無かっただろう。
そして既にそれを承知の禊は、眼前を覆うように立ちはだかる“禊”の群れと……その先頭に立つ、大兄を睨み付けて向かい合った。

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