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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第16章 白日の下
けれども洞主……否、玉衣がその母性の優しさを与えたのは性悪そうな幼女の方で、玉衣は何か穢らわしいものから守るように幼女の肩を抱き寄せると、反面、神依のことなど微塵も気に掛けぬようにその切れ長の目を吊り上げ冷酷な瞳を向けた。
それはあたかも、繚乱する大花の群れに添う鋭利な葉。花に引き寄せられた人の手を裂き血を滴らせるような、割れた色硝子でできた葉だった。
そしてそれを顕示するかのように、玉衣は神依がいつか見たあの若穂色の衣──日嗣の衣を纏い、まるで今しがたその男との情交を果たしてきたかのように日嗣の香りを匂わせて、赤く小さな日輪の傍らに在った。
【2】
(どう……して……?)
神依は地面に崩れ落ちたまま、呆然と玉衣を見上げる。
何が起きているか分からず、また何が起きているか理解するのを拒むかのように頭の中が灼けついて、なのにひやりと冷たいものが流れた気がした。
ただ目の前には禊が立ちはだかって、洞主と自分を隔てている。あんなにも心安く、あんなにも優しくあったはずの女性から、自分を遠ざけようとしている。
それは、もう、明らかな決別だった。
それはあたかも、繚乱する大花の群れに添う鋭利な葉。花に引き寄せられた人の手を裂き血を滴らせるような、割れた色硝子でできた葉だった。
そしてそれを顕示するかのように、玉衣は神依がいつか見たあの若穂色の衣──日嗣の衣を纏い、まるで今しがたその男との情交を果たしてきたかのように日嗣の香りを匂わせて、赤く小さな日輪の傍らに在った。
【2】
(どう……して……?)
神依は地面に崩れ落ちたまま、呆然と玉衣を見上げる。
何が起きているか分からず、また何が起きているか理解するのを拒むかのように頭の中が灼けついて、なのにひやりと冷たいものが流れた気がした。
ただ目の前には禊が立ちはだかって、洞主と自分を隔てている。あんなにも心安く、あんなにも優しくあったはずの女性から、自分を遠ざけようとしている。
それは、もう、明らかな決別だった。

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