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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第16章 白日の下
もはや何をも拒むこともできない失せた結界。
背後に控える巫女達は皆、嫉妬や憎悪、そして嘲笑の念を瞳に宿して、それを向けるに何のためらいも無く神依に視線を突き刺している。
共にある禊達は……様々だったが、禊にはそのあらゆる感情が理解できて、しかしだからこそ、自身が背に纏う少女を晒す訳にはいかなかった。
事態を飲み込めない──場慣れしていない神依だけが置いてきぼりをくらったまま、空気を壊して口を開く。
「……誰? なんで……どうして、こんなこと……っ」
「およし」
しかし、それを制止したのもまた、思いもよらない人物だった。
「──およし、神依。この御前は、お前など端(はした)の巫女が気安く口を利いていいお方ではない」
「洞主様! ……洞主……さま?」
聞き慣れた声に、強張った表情を一度はほころばす神依。
しかし、一歩踏み出したそれは、そのわずかな熱すら奪って凍てつかせるような眼差しで、無言のまま神依を見下ろした。
「どうしゅ……さま……?」
それはまるで、何か違うものの心と魂を放り込んで閉じたような、洞主の器。だがそんなはずはないと、神依はもう一度、悪さをした子が母を窺うような眼差しと声音とで呼び掛ける。
背後に控える巫女達は皆、嫉妬や憎悪、そして嘲笑の念を瞳に宿して、それを向けるに何のためらいも無く神依に視線を突き刺している。
共にある禊達は……様々だったが、禊にはそのあらゆる感情が理解できて、しかしだからこそ、自身が背に纏う少女を晒す訳にはいかなかった。
事態を飲み込めない──場慣れしていない神依だけが置いてきぼりをくらったまま、空気を壊して口を開く。
「……誰? なんで……どうして、こんなこと……っ」
「およし」
しかし、それを制止したのもまた、思いもよらない人物だった。
「──およし、神依。この御前は、お前など端(はした)の巫女が気安く口を利いていいお方ではない」
「洞主様! ……洞主……さま?」
聞き慣れた声に、強張った表情を一度はほころばす神依。
しかし、一歩踏み出したそれは、そのわずかな熱すら奪って凍てつかせるような眼差しで、無言のまま神依を見下ろした。
「どうしゅ……さま……?」
それはまるで、何か違うものの心と魂を放り込んで閉じたような、洞主の器。だがそんなはずはないと、神依はもう一度、悪さをした子が母を窺うような眼差しと声音とで呼び掛ける。

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