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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第16章 白日の下
そう言いながらにこりと笑むのは、子供。
 少女──否、幼女と言っても過言ではない、気位の高そうな一人の童女だった。
 呆けたように問う神依に、童女は小馬鹿にするようにくすくす笑ってその細い肩を揺らす。しかしそんなたちの悪い振る舞いの中にあっても、その童女はいかな我儘をも押し通せるような存分な可愛らしさを持ち合わせていた。
 ぱっちりと丸い目、人形のようにちょんとある鼻も愛らしい。悪戯そうに笑む小さな唇も子供ながらに紅が引かれ、大人になったらきっと一つの笑みと涙だけで男を突き崩し国を追い込むような、絶世の美女に成るに違いなかった。
 そして子供特有の艶のある黒髪には、赤や緋の織物紐と金細工の、小さいながらも凝った作りの飾りが結ばれ、そのまろやかな頬をくすぐっている。
 特にその存在を際立たせるのは、その身と空気に纏う装束達。
 この冬野の中、春と夏と秋を一人占めして織らせたような、鮮やかな花々が繚乱する豪奢な着物、帯と……その背後には裳裾の如く、竹林の小道すら呑み込む程に多くの巫女やその禊を引き連れており、その集団の異様なまでに圧倒的で好戦的な雰囲気を感じ取った禊は、ただ神依を背に庇うことしかできず絶句した。
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