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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第16章 白日の下
「やめてぇッ! 鼠軼様──鼠軼様が落ちちゃう──!!」
「落ち着いて……落ち着いて下さい、神依様……」
「だって……だって!! なんで……どうしてこんなっ!!」
 塵は地に落ち、神依はそれを追い、かき集めるかのように地に伏せ泣きじゃくった。
 鼠軼が自分の手の上で瞬きの間に死んでしまったこと、それを目の当たりにしてしまったこと──それは頭では理解できても心が処理をしてくれない。
 混線したまま、その線を掻きむしって引き剥がすように喚く神依の元に、しかしそれをぱっつりと裁ち切る声が届いたのは……それからすぐのことだった。
 「──なんとも、やかましい娘よのぅ」
「……ッ!? ……?」
 伏せる神依の頭上から降ってきたその声と声色は、この凄惨たる状況においてはあまりに似つかわしくない……まるでコルリがさえずるような、高く、愛らしいもの。
 最近あの秘密の社で聞いたような、少しおませな女の子の声によく似ており──更に訳が分からなくなった神依は、禊に続いて、おそるおそる顔を上げた。
「だ……だれ……?」
「ほう、わらわに平然と口を利くか。さすが、小うるさい鼠の巫女なだけはある。獣も人も、地を這いずるだけの四つ足が神を名乗るなど──おこがましいにも程があろうに」
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