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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第16章 白日の下
「──あ──あぁぁ」
「神依様──」
神依は、その鼠軼だった塵を眺め、留めることも振り払うこともできず喉を震わせる。
歳を重ねた手のような白い毛、小さくてもその神たる威を誇るかのようにあった長い髭、そして、器用に動く珠を巻いた細長い尻尾。まるで孫を見るかのように優しく目を細め、たくさんのことを語ってくれたその神はもういない。神依の前で一瞬で黒い塵となって、その焼かれた臭いすら残さず消えてしまった。
死んでしまった。
そしてようやくそれを理解した神依は、
「──いやあぁぁっ!! あああぁぁ!! 鼠軼様あっ、鼠軼様ぁあっ!!」
ただ、叫んだ。
それをすれば、再び思い描いた姿で鼠軼が蘇るとでも言わんばかりに残った塵を両手で守り、絶叫した。
「神依様──」
そのまま地に崩れ落ちる神依を支える禊でさえ青ざめた顔色で、祠が破壊される以上のただならぬ事態にもはや思考することさえままならず、自身もまた神依の存在を拠り所にその体を支えていた。それさえ無かったら、おそらく呆然として動けないような気がするほどの、瞬きの惨事だった。
そしてがくがくと体を震わせ己の手を眺め泣き声を上げる神依に、禊はきつく歯を噛みむりやりその手を下ろさせる。
「神依様──」
神依は、その鼠軼だった塵を眺め、留めることも振り払うこともできず喉を震わせる。
歳を重ねた手のような白い毛、小さくてもその神たる威を誇るかのようにあった長い髭、そして、器用に動く珠を巻いた細長い尻尾。まるで孫を見るかのように優しく目を細め、たくさんのことを語ってくれたその神はもういない。神依の前で一瞬で黒い塵となって、その焼かれた臭いすら残さず消えてしまった。
死んでしまった。
そしてようやくそれを理解した神依は、
「──いやあぁぁっ!! あああぁぁ!! 鼠軼様あっ、鼠軼様ぁあっ!!」
ただ、叫んだ。
それをすれば、再び思い描いた姿で鼠軼が蘇るとでも言わんばかりに残った塵を両手で守り、絶叫した。
「神依様──」
そのまま地に崩れ落ちる神依を支える禊でさえ青ざめた顔色で、祠が破壊される以上のただならぬ事態にもはや思考することさえままならず、自身もまた神依の存在を拠り所にその体を支えていた。それさえ無かったら、おそらく呆然として動けないような気がするほどの、瞬きの惨事だった。
そしてがくがくと体を震わせ己の手を眺め泣き声を上げる神依に、禊はきつく歯を噛みむりやりその手を下ろさせる。

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