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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第16章 白日の下
酒を注ぐと子龍が分け前にあずかろうと盃に首を伸ばすので、手のひらを丸くして少しだけ注いでやった。
「あなたも早く大きくなって、立派な川や池の神様になれるといいね」
しかし子龍はぎょっとしたように顔を上げると、いやいやと首を横に振って庭池の方を示す。それに神依は呆れたように、禊は親愛の念を持って笑った。離れたくない気持ちは分かる。そして子龍も既に池の鯉を掌握して主としてはあったが、鯉からの信仰はいかばかりか。
そうしてようやくお披露目の場に案内された祠の主──幼い兎神は、まだきょうだいの誰もが持たない、自分だけに造られた新しい住み処を見るなり嬉しそうに二人の周りを跳ね回った。
「いかがでしょうか。今よりなおご成長あそばせて、正式に祭り奉るまでは今しばらくの時が要るかとは存じますが──ひとまず、お住まいになる分にはよろしいのではないかと」
「……!」
「ふふ、喜んでるみたい。──わっ!?」
兎神は禊に応えるように一瞬その姿を陽炎のように変え、木の社の中に吸い込まれるように消えていく。
それを見た神依はすっとんきょうな声を上げ、それから再び静まり返った空気の中で禊を見上げた。
「あなたも早く大きくなって、立派な川や池の神様になれるといいね」
しかし子龍はぎょっとしたように顔を上げると、いやいやと首を横に振って庭池の方を示す。それに神依は呆れたように、禊は親愛の念を持って笑った。離れたくない気持ちは分かる。そして子龍も既に池の鯉を掌握して主としてはあったが、鯉からの信仰はいかばかりか。
そうしてようやくお披露目の場に案内された祠の主──幼い兎神は、まだきょうだいの誰もが持たない、自分だけに造られた新しい住み処を見るなり嬉しそうに二人の周りを跳ね回った。
「いかがでしょうか。今よりなおご成長あそばせて、正式に祭り奉るまでは今しばらくの時が要るかとは存じますが──ひとまず、お住まいになる分にはよろしいのではないかと」
「……!」
「ふふ、喜んでるみたい。──わっ!?」
兎神は禊に応えるように一瞬その姿を陽炎のように変え、木の社の中に吸い込まれるように消えていく。
それを見た神依はすっとんきょうな声を上げ、それから再び静まり返った空気の中で禊を見上げた。

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