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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第15章 文枕
そして、覚えていてほしい。今の俺に取っては、お前の涙さえも天から滴る甘露であることを。
それをみすみす、お前の袖や禊の胸に啜らせる訳にはいかない。
きっとその雫は、お前が綴ってくれた甘やかな言葉のどれよりも甘いだろうから。

だがお前のおかげで、俺はまた更に一人寝が辛くなりそうだ。
この頃は、大叔父上から遣わされている者達さえ呆れているように見える。
しかし、この喜びは今俺が唯一誇れることなのだから仕方ない。

今度はあの言葉の数々を、お前自身の唇で紡がせたい。お前が恥じらいながらあれを口にする様はどれほど愛らしく、またどれほど私を堕として虜にするのだろう。

そういえば、お前はよく菓子を食べていたな。
今度はその花砂糖のような唇で甘い言葉を練って、私に食ませてくれ。柔らかな飴のような舌を、私に含ませてくれ。
その頃には、お前も蜜のようにとろけて私の腕の中にあるだろう。

祭の夜に男と女が結ばれる。それはとても自然で、言祝ぐべきことなのだが、またこれでお前が頬を染め、身に狂おしい熱をこもらせるのなら私も嬉しい。

雪が降る日ならばその熱を分け、蝉が鳴く頃ならばその熱を宙に充たそう。
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