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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第15章 文枕
もしも会えたのなら、その俺はどれだけお前と語り、どれだけお前とじゃれあい、どれだけお前と睦んでいたのだろう。
夢の中の自分にさえ、今の俺は嫉妬できる。
今願いが叶うなら、一日でいいからお前の禊と心だけ入れ替わりたい。或いは彦の開いてくれる道に夢の通い路さえあれば、毎夜のようにお前の夢に天降れるのに。

それにしても、あれが童女らに囲まれて渋い顔をしていたのはそういうことだったのだな。
微笑ましいというと嫌な顔をされるだろうが、微笑ましい。

本当は、俺はあれとも一度語り合いたいんだ。
俺が知らないお前のことを、俺しか知らないお前のことを、共に語り明かしたい。

俺では足りぬところをあれはきっと満たしてくれるし、あれに足りぬところはきっと俺が満たしてやれる。

そうしたら、お前はずっと、世界で一番幸せなままであれるだろう。

もちろん、お前を胸に抱けるのは俺だけだが。
だがそうすれば、今度は二人であれの幸せを願ってやれる。俺も神として、男として、あの男の献身に報いたい。それが果たせれば、きっと、また彦とは違った友になれると思う。

そして、そんなお前達が俺を神として正しく顕していてくれたことには、心から感謝する。
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