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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第15章 文枕
だって、日嗣様は、稲穂の神様なのだから。

私もできるなら、次に来る夏はあなたと一緒に過ごしたい。
私がこちらに来た季節は、今度はどんなふうに移り変わっていくんでしょう。

雨の日も、晴れの日も、お天気雨の日も。それをここから一緒に見つめられたら、幸せです。
きっと世界で一番、幸せです。

***

神依。
お前が夜一人で読むと言うなら、俺ももっと好きに言葉を綴れる気がする。
お前は甘え下手だから、うんと甘やかせと伍名からも言われているしな。今度は、お前を包む褥が俺でないことを、もどかしく思う程の言葉を綴りたい。あれよりもっと紙がよれていたらいいな。

あの櫛のことは本当にすまなかったと思うが、思えばあの時もそうだったな。
お前が恥じらっている姿を見ると、俺はどうにもお前に悪さをしたくなる。
それこそ、本当に童子のようなものなのだろうが、お前があんなことを書いて寄越すから仕方ない。彦が恋文は夜に書けと言っていた理由がようやく分かった。

けれどもお前の身に紅を差せる程の言葉を紡いでいたなら、俺の身の内にある想いも、きっともう収まり切らない程のものなのだと思う。

夢の中では、お前は俺に会えただろうか。
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