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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第15章 文枕
「驚いたかえ? ここは私の秘密の部屋。私以外にはまだ、大兄とそなたの禊しか入ったことがない」
「えっ──」
「ただしこの部屋のことは内密にな。……時折あの洞に行くと、こうして不思議なものが流れ着いておるのだよ。
見つけたら再び海に戻せと先代の洞主様から言い付けられておったが、どうにも心惹かれるものがあってな……たまに気に入ったものがあったら使えるものは拾って持ち込み、よう分からぬものは匠の方に流して真似させておる。……悪くはなかろ?」
「……はい。違う世界に来たみたいで……何だか、気持ちがうんと変わります」
正しく自分が望んだことを理解してくれた少女に、玉衣は満足そうに頷く。やはり、何か同じものを共有できる者は欲しい。
そこへ大兄が戻ってきて、神依の前に脚の長い華奢な杯が置かれた。それは夜明けの雲海をそのまま閉じ込めた色をしており、本当に薄い宝石で作られているかのように光を反射して煌めいていた。
「わあ……きらきらしてる。綺麗……」
「色硝子の細工杯じゃ。窓の玻璃より、数段透き通って美しくあろ。きっと外の世界には、そういうものが溢れておるのだろうな」
「はい。あ……いただきます」
「うむ」
「えっ──」
「ただしこの部屋のことは内密にな。……時折あの洞に行くと、こうして不思議なものが流れ着いておるのだよ。
見つけたら再び海に戻せと先代の洞主様から言い付けられておったが、どうにも心惹かれるものがあってな……たまに気に入ったものがあったら使えるものは拾って持ち込み、よう分からぬものは匠の方に流して真似させておる。……悪くはなかろ?」
「……はい。違う世界に来たみたいで……何だか、気持ちがうんと変わります」
正しく自分が望んだことを理解してくれた少女に、玉衣は満足そうに頷く。やはり、何か同じものを共有できる者は欲しい。
そこへ大兄が戻ってきて、神依の前に脚の長い華奢な杯が置かれた。それは夜明けの雲海をそのまま閉じ込めた色をしており、本当に薄い宝石で作られているかのように光を反射して煌めいていた。
「わあ……きらきらしてる。綺麗……」
「色硝子の細工杯じゃ。窓の玻璃より、数段透き通って美しくあろ。きっと外の世界には、そういうものが溢れておるのだろうな」
「はい。あ……いただきます」
「うむ」

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