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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第15章 文枕
 それに加え国津神達から聞いた話では、日嗣はしばらく淡島には降りられないという。だがそれは本当に降りられないだけなのか、自らの意思で降りてこないのか、特に神依はあの日以来ずっとずっとそれを気にしていた。
 あんな場面を見られて、せっかく差し伸べてくれた手を拒んで。
 けれども日嗣自身が嫌だったわけではないのだと……だから嫌いにならないでほしいと、叫び出したいくらい心はそう訴えていたのに、結局は快楽に呑まれ嬌声を上げていた身の浅ましさにそれも伝えられず、離れてしまった。
 だから、もう会えない──会ってもらえないのではないかとずっとそんな風に思っていた。国津神達にはまた、優しい嘘で守られているのではないかと思っていた。
 だが、神依の心も日嗣が差し伸べた手も、そのどちらもを間近で見ていた禊は、神依の問いに緩く頭を横に振り応える。
「お一人で全てを抱え込まなければならない、その重責は分かります。けれどもそれはどうか、御令孫の御心のままに。……確かにかつての天孫は、今貴女様が恐れているような振る舞いをなさる方であったかもしれません。ですが──神依様」
「……?」
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