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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第15章 文枕
そう言って、いつかのようにまたわしゃわしゃと頭を撫でてくれる大兄に、神依は困ったように笑んでこくりと頷いた。
「……はい、そうしていただければ。私も、このことは別にしても……洞主様にお会いできるのは嬉しいです」
「ああ。……色々問いたいこともあるが……それは俺の役目でもないし、また後でな。この頃は冷え込むから、何か厚い物を頭から被ってくればいい」
「はい。ありがとうございます」
「いや。……ではな」
そうして大兄は一度その場を退き、禊とも短く言葉を交わすと再び来た道を戻っていく。
しかしその背を見つめる禊の表情は未だ厳しく、傍らに在った神依もまた伏し目がちに、自らの頬に、右肩にと指先を滑らせていた。
神依は大兄の姿が見えなくなると、おずおずと禊に問う。
「……禊。洞主様には、全部話しちゃ駄目かな? ……また日嗣様に……嫌がられるかな?」
「……神依様」
く、と袖を引かれ、険しかった禊の目に心が戻る。主はそれでもまだ不安そうに在って、その大きな瞳で自身を見上げていた。
これから先何が起こり得るか、もう彼女も充分に理解しているのだろう。それに──
「……はい、そうしていただければ。私も、このことは別にしても……洞主様にお会いできるのは嬉しいです」
「ああ。……色々問いたいこともあるが……それは俺の役目でもないし、また後でな。この頃は冷え込むから、何か厚い物を頭から被ってくればいい」
「はい。ありがとうございます」
「いや。……ではな」
そうして大兄は一度その場を退き、禊とも短く言葉を交わすと再び来た道を戻っていく。
しかしその背を見つめる禊の表情は未だ厳しく、傍らに在った神依もまた伏し目がちに、自らの頬に、右肩にと指先を滑らせていた。
神依は大兄の姿が見えなくなると、おずおずと禊に問う。
「……禊。洞主様には、全部話しちゃ駄目かな? ……また日嗣様に……嫌がられるかな?」
「……神依様」
く、と袖を引かれ、険しかった禊の目に心が戻る。主はそれでもまだ不安そうに在って、その大きな瞳で自身を見上げていた。
これから先何が起こり得るか、もう彼女も充分に理解しているのだろう。それに──

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