この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第15章 文枕
上がるよう示されるも大兄は構わないと手振りで断り……おそらく奥に在るのだろう神依を憚って、声を潜めた。
「……お前の姫御が進貢に出ておらんと、また少し他の巫女達の間で噂になっている。それで何かあったんじゃないかと、玉衣様がお心を砕かれて俺を遣わせてくれたんだ」
「……そうでしたか」
相変わらず感情に乏しい顔をしてそれだけ答える禊に、大兄は盛大に溜め息を吐く。よくもこの愛想の無さで巫女と──女と向き合えるものだと、それを多少羨ましくも思ったが思ったところでどうしようもない。
「今度の巫女は随分と気が長いというか何と言うか──まあ上手くいっているようで何よりだが、何もこんな所に一人で囲わんでもいいだろう」
「いえ……そうではなく、ただ単に今は御加減がよろしくないのです。少し前に熱を出しまして……このところ、朝晩と冷え込みましたし」
「……本当にそれだけか?」
大兄の探るような視線に、禊はその表情を変えず一つ頷く。だが大兄は、こういう時の禊の扱いにももう充分に慣れていた。
「なら、見舞わせてもらって構わんか。俺も玉衣様にもお伝えせねばならんし、祈祷が必要そうなら口添えしてやれる」
「──それは……」
「……お前の姫御が進貢に出ておらんと、また少し他の巫女達の間で噂になっている。それで何かあったんじゃないかと、玉衣様がお心を砕かれて俺を遣わせてくれたんだ」
「……そうでしたか」
相変わらず感情に乏しい顔をしてそれだけ答える禊に、大兄は盛大に溜め息を吐く。よくもこの愛想の無さで巫女と──女と向き合えるものだと、それを多少羨ましくも思ったが思ったところでどうしようもない。
「今度の巫女は随分と気が長いというか何と言うか──まあ上手くいっているようで何よりだが、何もこんな所に一人で囲わんでもいいだろう」
「いえ……そうではなく、ただ単に今は御加減がよろしくないのです。少し前に熱を出しまして……このところ、朝晩と冷え込みましたし」
「……本当にそれだけか?」
大兄の探るような視線に、禊はその表情を変えず一つ頷く。だが大兄は、こういう時の禊の扱いにももう充分に慣れていた。
「なら、見舞わせてもらって構わんか。俺も玉衣様にもお伝えせねばならんし、祈祷が必要そうなら口添えしてやれる」
「──それは……」

作品検索
しおりをはさむ
姉妹サイトリンク 開く


