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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第15章 文枕
 「……」
だがそれは、日嗣にはもう時間の問題のような気がした。
 ならばいっそ自分の謹慎が解けるまで神依にも引きこもってもらい、自由の身になったら何処かへ拐って匿ってしまおうか。そうしてほとぼりが冷めた頃に、高天原に召し上げてしまえばいい。
 しかし──
(……しかしそれでは、結局大叔父上と同じだ)
しかも高天原に召し上げたら寝取るとまで言われている。加えて今現在の執着は凄まじく、寝取ると言うなら必ず寝取りに掛かるだろう。
 何より神依は少し奔放なところがあった。それは慣れた人間の中で、内向きに発揮されるものではあったが……だからこそ、寵愛の名の下に監禁するようなやり方は違う気がした。それはそのまま、心を閉じ込めてしまうことだ。
 祖母に助力を乞うことも考えたが、今回こうなった原因に関しては何も知らされていない。
 それも大叔父が意図的に伏せたからで、結局あの月の神がどのような末を視て、何を考えているのか……微塵も理解はできなかった。ただ暗に自分も沈黙を強要され、そのまま終日、二人肩を並べて延々と祖母に説教されて今に至っている。
 それに元々、祖母は神依のことをあまり好く思っていなかった節もある。難しそうだった。
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