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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第15章 文枕
 そしてこの生きた人形達から大叔父に話が流れるのも嫌だったが、神依のことを想えばそうも言っていられない。日嗣は一つ息を吐くと、本題に入ることにした。
 「それで……あちらはどうだった」
「ああ……神依はやっぱまだ本調子じゃねえみてえでな。今日も寝てた」
「……そうか……」
問えば、猿彦も少しだけ緩んだ空気を引き締めて答えてくれる。日嗣自身が淡島に降りられない分、今は猿彦や伍名があの家を訪ね、その目と耳の代わりとなっていた。
 ただ具体的な話は二人共にそれとなく秘めていて、逆にそれが爪痕の深さを暗に示しているような気もする。月読の話がどこまで本当か問うべくもないが、あの部屋の有り様と櫛の件を思えば、神依には余りに苛酷であっただろう扱いが頭に浮かんだ。
 「──心配すんな。きっと色んなことが一気に起きて、思ってた以上に疲れが出ちまっただけだ。まあ、あれから進貢にも来てなかったからな」
「……お前の方にもか?」
「……ん? 俺はそういうつもりで言ったぞ?」
「いや……なら良かった」
「いやちっとも良かねえけどな」
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