この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第14章 墨染めの恋
「──くどいわ。童児の言い訳などあの姉妹神すら興味は無かろう。それよりも最初から、素直に私にそう問えばいい」
次第に声を荒げ髪を振り乱し、身の内に溜めていた全てを吐露した日嗣に、それを黙って聞き流していた月読は一度紫煙を吐くとようやく答えた。
「お前の言う通り、神依を私の元へ持ち込んだのは伍名だ。……何故あれがそうしなければならなかったか、そして何故私がお前の言う“仕打ち”を神依に施したか……その理由は幾つかあるが、もはや今のお前には、そのような裏方の事情など興味もあるまい」
「はい──毛筋ほども」
「ならば私も己が心のままに申してやる……神依の頬に朱印を刻んだのは、あれが私のものだと世に宣するためだ。遊んでみれば、殊の他あの娘は私に心地好い振る舞いをしてみせた。故に私はあれを気に入り、お前から奪い取ってやろうと思っただけだ」
「……あなたも最初からそう仰ってくれれば、互いに無駄な時間を過ごさずに済んだのですが」
そのあからさまな月読の言葉に、日嗣は乱れた髪を直すように頭を抑え笑みを浮かべる。
それは呆れもあったし、自分が取り立てた娘が一応の血族に認められた喜ばしさもあったかもしれない。だが、それを許すことはできなかった。
次第に声を荒げ髪を振り乱し、身の内に溜めていた全てを吐露した日嗣に、それを黙って聞き流していた月読は一度紫煙を吐くとようやく答えた。
「お前の言う通り、神依を私の元へ持ち込んだのは伍名だ。……何故あれがそうしなければならなかったか、そして何故私がお前の言う“仕打ち”を神依に施したか……その理由は幾つかあるが、もはや今のお前には、そのような裏方の事情など興味もあるまい」
「はい──毛筋ほども」
「ならば私も己が心のままに申してやる……神依の頬に朱印を刻んだのは、あれが私のものだと世に宣するためだ。遊んでみれば、殊の他あの娘は私に心地好い振る舞いをしてみせた。故に私はあれを気に入り、お前から奪い取ってやろうと思っただけだ」
「……あなたも最初からそう仰ってくれれば、互いに無駄な時間を過ごさずに済んだのですが」
そのあからさまな月読の言葉に、日嗣は乱れた髪を直すように頭を抑え笑みを浮かべる。
それは呆れもあったし、自分が取り立てた娘が一応の血族に認められた喜ばしさもあったかもしれない。だが、それを許すことはできなかった。

作品検索
しおりをはさむ
姉妹サイトリンク 開く


