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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第14章 墨染めの恋
「神依、俺がお前達にしてやれることはあまり多くない。でも、お前は本当に俺の友のことを想ってくれたから、俺もそれに応えようと思う」
「……猿彦さん」
「……」
猿彦はそれに首を横に振る。
「俺の神名は、猿田毘古神(サルタヒコノカミ)」
「え……っ」
「孫みてーに強くはねえし、大した力は無いけど、……俺はこの名に誓って、お前とお前の一族達を裏切らない。禊、童、そしてお前ら端神もだ。他の誰もがお前達を害しても、俺はこの家に在るお前達すべての味方だ。だからこの先、何があっても絶対負けんな。お前達が立ち止まらない限り……お前達の足元には常に道の神の加護がある。だから──だから、頑張れ」
「……っ」
 その言葉と共に、怪我を押してまで途端に叩頭する童や端神、そして出来る限りの礼を取る禊に、神依はそれがどれほどの意味を持つものなのか慮って、まじまじと、問うように猿彦を見上げる。
「さ……猿彦さん」
「呼ばれるのはやっぱりそっちが慣れてるんだけどな、気楽だし。……ま、今日はゆっくり休め。俺は御令孫のご機嫌伺いしてくらぁ」
「あ……」
よっこらせと立ち上がる猿彦に、なお深く禊と童が頭を下げる。
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