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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第14章 墨染めの恋
「神依様……」
禊もまたその神の目と手に含まれた慈愛を感じ、恐れることは無いと神依を安心させるように呼び掛けた。
ところが──
「──触らないで!」
「……ッ」
日嗣に返されたのは、余りに哀しく、余りに鋭い、その一言だった。
「み……神依……」
「神依様……」
まさか神依が拒絶するとは思わなかった二人は呆然と、突然声を荒げた少女の上で視線を交差させる。
日嗣は宙に浮いたままの手をどうしていいか分からず、ただただ顔を歪める少女を、その瞳から弱々しく流れる涙を見ていた。
そしてふと、拒まれたのは自分がこの暴挙をなした大叔父に似ているからかと思い至る。しかし、だとしたら……この心の傷はいつになったら癒えるのだろう。
もはやこの腕に抱くことなど不可能なのではないか。禊にはその身を委ねているのに、その弱った心をすがり付かせているのに……、もう自分にはできない。
ならばいっそ、この身を全て変えてしまえばいいのか。髪を断ち肌を焼き、似ても似つかぬ姿になれば。
しかしそれでもこの娘は受け入れてくれるだろうか。醜男(しこお)だと罵られ、なお禊の方に心を傾かせてしまうのではないか。
禊もまたその神の目と手に含まれた慈愛を感じ、恐れることは無いと神依を安心させるように呼び掛けた。
ところが──
「──触らないで!」
「……ッ」
日嗣に返されたのは、余りに哀しく、余りに鋭い、その一言だった。
「み……神依……」
「神依様……」
まさか神依が拒絶するとは思わなかった二人は呆然と、突然声を荒げた少女の上で視線を交差させる。
日嗣は宙に浮いたままの手をどうしていいか分からず、ただただ顔を歪める少女を、その瞳から弱々しく流れる涙を見ていた。
そしてふと、拒まれたのは自分がこの暴挙をなした大叔父に似ているからかと思い至る。しかし、だとしたら……この心の傷はいつになったら癒えるのだろう。
もはやこの腕に抱くことなど不可能なのではないか。禊にはその身を委ねているのに、その弱った心をすがり付かせているのに……、もう自分にはできない。
ならばいっそ、この身を全て変えてしまえばいいのか。髪を断ち肌を焼き、似ても似つかぬ姿になれば。
しかしそれでもこの娘は受け入れてくれるだろうか。醜男(しこお)だと罵られ、なお禊の方に心を傾かせてしまうのではないか。

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