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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第14章 墨染めの恋
ここに来るまでの瞬きの間──それでもその間の時間は日嗣にも猿彦にも長く重たく感じられたが、その間、猿彦は日嗣にかける言葉を見付けることができなかった。伍名が話を上げた天津神の正体を知り、その気性を知り……後悔はしていないが、不安はある。
それに加え、ことのあらましを聞き発端が自分であったことを知ったはずの日嗣さえ何も言わない。呼び声を聞いた時は怒っているのかと思ったが、焦っているのだと判って殊更かける言葉は薄れていった。
ただそれを問うこともできないほど一人の少女を想えるようになっていることに……友自身は気付いているのだろうか、と心の片隅で思う。
そんな複雑な気持ちで日嗣を導いた猿彦だったが──
「……何だこりゃ……」
道が開けた瞬間、その浮島を囲っていたはずの結界の有り様を目にして言葉を失った。
あの鼠神はなかなか優秀で、島に入るには必ず竹林の小路と門を潜らなければならないはずだったのだが……その小路に続く跳び石の手前まで来れば、結界は一閃──地から空まで大きく斜めに裂かれており、今はゆらゆらと力無く、赤気のように流れるのみとなっていた。
それに加え、ことのあらましを聞き発端が自分であったことを知ったはずの日嗣さえ何も言わない。呼び声を聞いた時は怒っているのかと思ったが、焦っているのだと判って殊更かける言葉は薄れていった。
ただそれを問うこともできないほど一人の少女を想えるようになっていることに……友自身は気付いているのだろうか、と心の片隅で思う。
そんな複雑な気持ちで日嗣を導いた猿彦だったが──
「……何だこりゃ……」
道が開けた瞬間、その浮島を囲っていたはずの結界の有り様を目にして言葉を失った。
あの鼠神はなかなか優秀で、島に入るには必ず竹林の小路と門を潜らなければならないはずだったのだが……その小路に続く跳び石の手前まで来れば、結界は一閃──地から空まで大きく斜めに裂かれており、今はゆらゆらと力無く、赤気のように流れるのみとなっていた。

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