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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第14章 墨染めの恋
その言葉にだけは、日嗣はごくごく自然に頷くことができた。
自分がそうであったように、友たる猿彦も同じ心配をしてくれていたというのは……何ともありがたく、喜ばしい。
「……それで……彦は、何と」
先を促せば、伍名は再び小さく頷いて、続ける。
「……猿彦は神として、あの禊に幾分かの道筋を示したそうです。しかし禊は地に伏したまま追いすがるように主の足元に在って溜まり、歩き出すことをしなかった。ですが……猿彦は本来、道の神です。歩まぬ者に加護を、慈悲を与えることはできない」
「……」
「そこで猿彦は、私に全て委ねる道を選びました。それが多かれ少なかれ、あの者達には厳しいものになると知り──しかし故にこそ絶対の結果をもたらすことをも知り、全てを私に委ねました。……貴方様もご存知の通り、あれは……その見た目では計れぬ程に、優しい神です。私とは違う。……ですが優しさだけでは、あの禊の呪縛は解けなかった。……それに」
「……」
「私もまた、本当にその巫女が天孫に相応しい者であるのか、そもそもその奇縁が一体何であるのか……見極めなければならなかった。故に一度自ら天降り、……昨晩、その真価を問わせていただきました」
「伍名、それは、……!」
自分がそうであったように、友たる猿彦も同じ心配をしてくれていたというのは……何ともありがたく、喜ばしい。
「……それで……彦は、何と」
先を促せば、伍名は再び小さく頷いて、続ける。
「……猿彦は神として、あの禊に幾分かの道筋を示したそうです。しかし禊は地に伏したまま追いすがるように主の足元に在って溜まり、歩き出すことをしなかった。ですが……猿彦は本来、道の神です。歩まぬ者に加護を、慈悲を与えることはできない」
「……」
「そこで猿彦は、私に全て委ねる道を選びました。それが多かれ少なかれ、あの者達には厳しいものになると知り──しかし故にこそ絶対の結果をもたらすことをも知り、全てを私に委ねました。……貴方様もご存知の通り、あれは……その見た目では計れぬ程に、優しい神です。私とは違う。……ですが優しさだけでは、あの禊の呪縛は解けなかった。……それに」
「……」
「私もまた、本当にその巫女が天孫に相応しい者であるのか、そもそもその奇縁が一体何であるのか……見極めなければならなかった。故に一度自ら天降り、……昨晩、その真価を問わせていただきました」
「伍名、それは、……!」

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